◆所得増加は「将来の貯蓄」のため
株式会社キャリアデザインセンターが実施した「仕事・転職・キャリア意識に関する調査」(25~34 歳・大卒以上の若手社員620名が対象)によると、前年と比べて現在の年収が「増加した」とする回答が約4割に達し、「減少した」は約1割にとどまったことがわかりました。
現在よりも明確に所得を上げたいと回答した人の割合は約6割となり、理由としては「将来のための貯蓄」を挙げています。
消費の節約を積極的に行いたいと考える人は前回調査よりも増加しているとのことで、若手社員の堅実な特徴がうかがえます。
◆転職意識はあるが社内での昇進にも意欲
転職については、8割以上の人が「より良い会社があれば、現在の会社を辞めて転職してもよい」と考えているという結果になりました。
一方、出世や昇進への意欲・関心は最近の調査で上昇傾向です。10年後も現在の会社で仕事を続けるイメージを持つ人が増加し、最近5年間では最も高い値となっています。
◆「リーダー経験」より「専門性向上」を重視
働く理由としては、「自分の生活のため」「自由に使えるお金を得るため」「将来の貯蓄のため」が上位に挙がっており、「自分の成長のため」「周囲の人から認められたい」等の理由は減少傾向にあります。
仕事においては、「リーダー経験」よりも「専門性向上」を重視する傾向が強く、「優秀な上司」が仕事上の成長要素として必要であるという意見は前回調査よりも増加しました。
また、仕事の目標として、「社外でも通用する経験・能力を身につける」「年収を上げる」が上位に挙がっていますが、「社内外の人脈作り、社内評価」を目標とする人の割合が増えています。
◆若手社員は安定志向か?
今どきの若手社員は、「より条件が良い会社があれば転職したい」という気持ちは持ちつつも、貯蓄等を目的として社内での昇進への意識も高く、終身雇用制度への支持も高いなど、実際には安定志向の面が見られます。
慎重・堅実タイプの若手社員をいかに育成させていくかが、企業の将来像のカギとなります。 |